知命立命 心地よい風景

This is Kiyonori Shutou's weblog

2014-01-01から1年間の記事一覧

学問の姿勢とは?学びて思わざれば則ち罔し!

このブログ上では”古典から学びましょう”ということを何度か言及させて頂いていますが、今回はその姿勢について少し触れておきたいと思います。 実は論語や孟子の言葉の中から、そのヒントとなる言葉があります。 例えば、孟子は、 「詩を説く者は、文(もじ…

墨子より学ぶ!一切の差別が無い博愛主義、兼愛交利!

『墨子』の著者は中国春秋末期戦国時代の思想家墨翟とされ、一切の差別が無い博愛主義(兼愛)を説いて全国を遊説した人物で、墨子として知られています。 いわゆる墨子十大主張を主に説いたことで世に知られており、その思想活動の目的は、天下の飢餓や凍死…

荀子より学ぶ!性悪説:社会のルール・礼を重視して。

荀子は、姓は荀、名は況といい、孟子の晩年の頃、戦国末期に趙に生まれ、秦の始皇帝の即位直前にこの世を去った儒学者で、しばしば荀卿と称されます。 彼は道家や墨家の思想も取り入れ、儒家ではあるが多くの点で孔子を修正し、孟子の性善説に対して性悪説と…

仏壇は礼拝施設!しかも日本古来の伝統工芸の集大成の形!

先に述べた漆器の話題や自在置物でも少し触れましたが、今回はそれらの技法を使った日本の床の間に鎮座する代表的な仏壇についてです。 ひとことでいえば、仏壇とは日本の一般家屋の中に常設された仏教の礼拝施設です 仏教寺院の本尊を祀る須弥壇(内陣)を…

【書物リスト】思い入れのある小説 その11【日本続き】

今回は、まだ最近かな!と思える思い入れのある小説類です。 21世紀になって読んだものなのに、あー、そういえばこういうのもあったなあ、と逆に記憶が薄かったりして。。 あと自己分析として、同じ作家でも作品によってかなりえり好みが激しいですね。 し…

荘子より学ぶ!何ものにも束縛されない絶対的な自由を求めて!

古代中国の春秋時代の思想家である老子の唱えた『道(タオ)』の思想は、戦国時代の荘子の無為の思想と並んで老荘思想と言われます。 老荘思想が最上の物とするのは「道」です。 道は天と同義で使われる場合もあり、また天よりも上位にある物として使われる…

「能」と「狂言」、「歌舞伎」は何がどう違う?

能と狂言、能楽、歌舞伎というのが、なんとなくぼんやりとした範囲でしか分類できていなかったので、ちょっと調べてみたものをメモ書きとして残しておきます。 個人的には、歌舞伎に比べて能や狂言の方は敷居が高くて、自ら積極的に観に行こうという気持ちが…

人にとって大事なものとは?修練・鍛錬を喚起する理由について

人にとって大事なこと。 それは第一に、人としての本質的要素。 そして第二に、そこに付随した属性要素 だと、私は考えます。 では、本質的要素とは何だと思いますか? 本質的要素。それは(先日にもちょっと触れましたが)人としての心、精神、道徳、人格と…

老子より学ぶ!ありのままのあなたへ!

古代中国の春秋時代の思想家である老子(B.C.5世紀頃)の唱えた『道(タオ)』の思想は、戦国時代の荘子の無為の思想と並んで老荘思想と言われます。 老荘思想が最上の物とするのは「道」です。 「道」はこの世界のありとあらゆるものを生み出す根本原理であり…

孟子より学ぶ!性善説と王道に基づくリーダーの心得!

孟子は戦国時代中国の儒学者・思想家で、仁や孝悌(四徳と五倫)を重んずるとともに性善説に基づいた王道政治を説いた人物であり、その言行をまとめた書も『孟子』といいます。 『孟子』は、儒教の経書四書(『大学』『中庸』『論語』『孟子』)のうちのひと…

141年前の今日(12月3日)!旧暦から新暦への改暦に思うこと。

141年前の今日(12月3日)、それまで旧暦(太陰太陽暦)であった暦を新暦(西暦・太陽暦)へと変更し、明治6年(1873年)1月1日が始まりました。 これにより、明治5年は12月3日から12月30日までの28日間が存在しない状態となっています。 実はこの変更、布告か…

歴史や古典から学ぶこと!100年前・69年前から日本の未来を見据えてみよう!

今年は第一次世界大戦から100年という節目で、来年(2015年)は敗戦から70年という時期にあたり、私達は改めて歴史から学ぶことが肝要です。 戦後の歴史教育では、しっかりと近代史に踏み込まず、昭和の敗戦とは何か?どういったものなのか?本当に何が起きて…

論語より学ぶ!人間としての「徳」と「命」!

『論語』は、春秋時代に生きた孔子とその弟子のやり取りを中心とした言行録です。 『論語』は、儒教の経書四書(『大学』『中庸』『論語』『孟子』)のうちのひとつで、儒家にとっては六経の前に読むべきものとして重要な経典とされました。 『論語』は20篇…

大學(大学)より学ぶ!人を治める道の書!

『大學(大学)』ってご存知ですか? あの二宮金次郎(尊徳)が、薪を背負いながら読み耽っているあの書、『大學』です。 儒学では『四書』(『論語』・『孟子』・『大學』・『中庸』)と『六経』が重要な書となりますが、朱子学では、これに『小學』と『近…

ビジネスアイデア(33)クリスマス商戦と目を引くアイデア商品!

ビジネスアイデアメモ:(2014/12/1) クリスマス商戦の中、今年のヒット商品を元にした目を引くアイデア商品もいろいろと出回っています。 今後の展開を考えて、来年以降のブームの萌芽となりそうなものを幾つかピックアップしておこうと思います。 まず、元…

近思録より学ぶ!修己治人による精神の復興!

『近思録』は、朱熹と呂祖謙が周濂渓、張横渠、程明道、程伊川の著作から編纂した、14巻からなる朱子学の入門書です。 儒学では『四書』(『論語』・『孟子』・『大学』・『中庸』)と『六経』が重要な書となりますが、朱子学では、これに『小学』と『近思…

ビジネスアイデア(32)空中庭園と自然との共生!

ビジネスアイデアメモ:(2014/11/30) 自然との共生と融合は、日本文化のもっとも顕著な特徴のひとつ。 このキーワードは、都市開発の側面からもっと海外にセールスすべきでしょう! 自然をそのまま放置するのではなく、人が快適に暮らせ、かつ環境を破壊する…

小學より学ぶ!子供の教育危機を救い自己を修める書!

『小學』は、187年に朱熹が劉子澄に編纂させた儒教的な初等教科書で、朱子学の基本となる書です。 儒学では『四書』(『論語』・『孟子』・『大學』・『中庸』)と『六経』が重要な書となりますが、朱子学では、これに『小學』と『近思録』が加わります。 朱…

黒田官兵衛に見る、理想の幹部像!

今日は、黒田官兵衛の生誕日(天文15年11月29日、1546年12月22日)ということもあり、軍師、軍略という観点から、ビジネスの在り方をちょっとだけ触れてみます。 まず、軍師として著名な人物といえば、日本では、今年一躍有名となった黒田孝高(通称官兵衛)…

水雲問答より学ぶ!治道心術にて国を治める方法!

肥前平戸の名君松浦静山侯の江戸時代後期を代表する随筆集『甲子夜話』の巻三十九に輯録されている『水雲問答』。 これは、上州安中の殿様板倉伊予守勝尚侯(卓山)=白雲山人とその師の幕府大学頭・林述斎(=墨水漁翁)との間の往復文書・問答集でして、”…

ビジネスアイデア(31)日本食を世界の大衆料理に!

ビジネスアイデアメモ:(2014/11/28) 昨年、和食(日本人の伝統的な食文化)がユネスコ無形文化遺産に登録されました。 しかし、どうもその敷居は高く、海外で親しんで楽しむ、というレベルにはまだまだ隔たりがあるように感じます。 実際、食文化としてはざ…

近江聖人:集義和書より学ぶ!経世済民のコンサルタントの教え!

熊沢蕃山は、江戸前期の儒学者・陽明学者です。 元禄・享保期の思想家・儒学者の荻生徂徠にして「この百年来の大儒者は、人材では熊澤(蕃山)、学問では(伊藤)仁斎」とまで言わしめています。 また、明治末の教育本・修身の教科書では以下のように語られ…

幽玄、風雅!日本美の情趣、柔和さや上品さを伴う遊びの日本文化理念!

『幽玄』『風雅』。美しい言葉ですよね。 「幽」はかすかで奥深いこと、「玄」は暗く奥深いこと。 『風雅』は高尚な美の趣を表し、幽玄の境に遊ぶこと。 姿に見えない余情や景色、言葉で言い表せない柔和さや上品さを伴う心有る日本美の言葉です。 美は、言…

伝習録より学ぶ!心を統治、練磨することの大切さ!

『伝習録』は、明の時代に王陽明が起こした儒学の教えを上中下巻に纏めたもので、陽明学の入門書ともいわれています。 日本には江戸時代に伝来し、以降の日本思想史においても多大な影響を与えているものです。 ・中江藤樹 ・熊沢蕃山 ・津田永忠 ・大塩平八…

曼荼羅!その広大なる世界観と宇宙観に精神を馳せる!

曼荼羅(曼陀羅)とは、”本質、中心、精髄などを持つもの”を表し、仏教における仏の悟りとその世界観を表現した絵画等のことを意味しています。 それは多くの要素の集合体で空間・領域・場を表しており、一見すると一つの点やそれをつなぐ線のようですが、実…

三島由紀夫!豊饒の海に織り込められた人間の姿!

今日(11月25日)は、44年前の作家三島由紀夫自決の日です。 私が生まれた年度に4部作となる”豊饒の海”の連載が始まり、決起当日の朝、担当編集者へ間接的に『豊饒の海 第四巻 天人五衰』最終回原稿が渡されて、そのまま陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地内で割腹自決に…

洗心洞箚記より学ぶ!義と愛に生き、知行合一を貫いた人生の書!

大塩平八郎の乱は、江戸時代の天保8年(1837年)に、大坂で大坂町奉行所の元与力大塩平八郎(中斎)とその門人らが起こした江戸幕府に対する反乱です。 そもそも、前年の天保の大飢饉に端を発する米不足と飢饉から忸怩たる思いを抱いていた平八郎が、幕府の…

地震や噴火への備え!思考停止への警告と想定パターンの準備へ!

今年に入り、地殻変動の活発化が懸念されるような噴火や地震が相次いでいます。 私は、東日本大震災に始まり、昨年の西ノ島噴火や、先の9月27日の木曽御嶽山の噴火、そしてこのところ群発する本州での地震は、冨士火山帯を中心とした周辺火山帯の活動期の始…

宋名臣言行録より学ぶ!名臣の言行から学ぶ未来の国のあり方、私達の生き方!

『宋名臣言行録』は、宋代に活躍した名臣の言行を、朱子とその弟子李幼武とががまとめた中国古典の伝記集です。 『貞観政要』と並び、帝王学の二大テキストとして取り上げられることもあるほどの書物で、明治天皇や伊藤博文、他維新の名臣も愛読されたといわ…

武経七書 李衛公問対から学ぶ!解説書、文献としての価値について

『李衛公問対』は「武経七書」のひとつで、唐の太宗李世民と李靖の対話形式で構成されている兵法書です。 別名『唐太宗李衛公問対』『唐李問対』ともいわれます。 上,中,下の3篇から成っており『孫子』、『呉子』をはじめとする古代の兵法、歴史的故事の…