知命立命 心地よい風景

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『三国志演義』第八十八回 濾水を渡って再び蕃王を縛し、詐り降るを識って三たび猛獲を擒とす

さて、釈放された孟獲は陣に帰って、
「蜀の者に陣屋に閉じこめられたが十人余りたたき殺して逃げてきたのだ。」
と言い、一同大いに喜んで戦の準備をした。トウトナ、アカイナンも呼び出されて、逆らうこともできずに従った。
孟獲は、濾水は近頃の暑さで毒が溜まっており、それを盾に陣を張った。
馬岱が出てくると、トウトナがそれを迎え打ち、アカイナンに沙口を固めに行かせた。馬岱の軍はトウトナを見ると、
「丞相に命を預けられながら、また背くとは恥知らずめ。」
と罵った。トウトナは赤面して戦わずして軍を退いた。
孟獲は大いに怒ってトウトナを斬ろうとしたが、周りに諌めされて百叩きにした。トウトナは陣に帰って、
「われらは南蛮に住まうとはいえ、かつて中国を侵したことはない。この度は孟獲の威勢に押されてのこと。諸葛亮殿に一命を預けられており、この大恩に報いぬ法はない。これより孟獲を殺して降参し、領内の百姓の苦し
みを解いてやろうではないか。」
と言って、賛同した兵士達とともに孟獲を捕らえて諸葛亮に知らせた。

諸葛亮は、捕らえられた孟獲に、
「二度捕らえられたら降参すると言ったが、どうじゃな。」
と言うと、孟獲は、
「これは配下が裏切ったためだ。わしの力で負けたわけではない。戦ってもう一度擒にできたら裏切るような事はせぬ。」
と言ったので、彼は釈放された。
孟獲は本陣に戻ると、トウトナ、アカイナンを諸葛亮が来たと詐って2人を呼び出し、斬り殺して谷間へ捨てた。
そして、すぐさま馬岱の陣のある濾水へ兵を進めたが、馬岱は陣を退いた後であった。孟獲は本陣に戻って弟モウユウに計を授け、モウユウに金銀財宝を持たせて諸葛亮のもとに行かせた。
モウユウは諸葛亮に平伏して、
「兄の孟獲は、一命を助けていただいた恩義に感じ、僅かではございますが献上の品をお持ちいたしました。」
と献上品を渡した。諸葛亮は、モウユウ達を厚くもてなした。
孟獲は、モウユウからの使いから諸葛亮の本陣の様子を聞いて突き進んだが、蜀軍の気配はなかった。本陣は、モウユウ達が薬を盛られて死んだように酔いつぶれていた。慌ててモウユウを連れて逃げようとしたところをオウヘイの軍勢が殺到した。そして、趙雲魏延の軍勢に四方を囲まれてしまった。孟獲は兵を捨てて濾水に一人で落ち延びようとした。しかし、そこに馬岱が現れ、孟獲は捕らえられた。
諸葛亮は、
「そろそろ降参せぬか。」
と言うと、孟獲は、
「今度のことは、弟が意地汚い真似をしたので、貴様に毒を盛られて仕損じたのだ。わしが出向いておれば勝っていたわ。これは運が悪かったので、わしが仕損じたわけではない。降参などできるか。」
と言ったので、諸葛亮は、
「よいわ。もう一度だけ許してやろう。」
と、彼らを釈放した。
孟獲が自分の本陣に戻ると、そこは趙雲に乗っ取られており、自分の領地に逃げ帰った。

さて、孟獲は、怒りに燃えて銀坑洞に戻ると、腹心の者に金銀財宝を持たせて各蛮族の部落へ遣わして、兵10万を借り受けた。孟獲はこの手勢を従えて蜀に乗り出した。
これを知った諸葛亮は、
「蛮兵が一つに集まるのを待っておったところじゃ。」
と言って自ら小さな車に打ち乗って陣を出た。

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